医療薬科学系 薬剤学
スタッフ
| 教授 | 山本 昌(薬学博士) |
|---|---|
| 准教授 | 坂根 稔康(博士(薬学)) |
| 助教 | 勝見 英正(博士(薬学)) |
研究内容
1. タンパク性医薬品を含む難吸収性薬物の消化管・経粘膜吸収の改善
2. 鼻腔内投与後の薬物吸収と脳への薬物送達
3. 生活習慣病及び癌、炎症治療を目的とした新規DDS開発
研究の目的および内容: 生物薬剤学からDDSへの展開
一般に医薬品を人体に適用する場合、原料粉末の薬物をそのまま投与することは稀であり、通常、錠剤、カプセル剤などの剤形を用いて製剤加工することが行われる。「薬剤学」は、こうして加工された医薬品の製造工程を研究する学問分野であると同時に医薬品を人体に適用した後の体内の薬物の動きを捉える研究分野でもある。中でも、後者の薬物体内動態を研究する分野は「生物薬剤学」と呼ばれ、医薬品の有効性と安全性を考える上できわめて重要な役割を果たしている。こうしたことから、近年、生物薬剤学が、薬理学、生理学、生化学、分子生物学などの関連領域の研究の進歩と相まって著しく進歩している。我々の研究室でも、こうした背景のもと、上記のようなテーマを掲げ、こうした成果をドラッグデリバリーシステム (DDS) の開発に生かすべく検討を進めている。すなわち、(1) では、吸収の悪い薬物や高分子のタンパク性医薬品(インスリンなど)の吸収を改善するため、添加物を加えたり、化学修飾を施したり、あるいはキトサンという高分子素材で剤形修飾することにより、経口ならびに経粘膜投与を可能にしようとする試みを行っている。(2) では、鼻の奥に薬物を脳に移行させる経路があることを利用して、中枢に作用させたい薬物を鼻から投与することにより脳に送達する研究を進めている。さらに、我々の研究室では、(3) に示したように、糖尿病や骨粗鬆症などの生活習慣病や癌、炎症を対象として、難吸収性薬物を皮膚から吸収させる次世代型経皮吸収製剤や疾患部位に薬物を効率よく送達するための新たな高分子修飾素材や微粒子性製剤の開発も試みている。このように、我々の研究室では、臨床で用いられている医薬品の体内動態の仕組みや制御方法を明らかにするとともに、こうした情報を DDS 分野に還元し、より有効性や安全性の高い医薬品の投与形態を開発し、理想的な医薬品製剤を社会に提供し、医学、薬学の発展に貢献することを目指している。