薬物治療学分野

研究内容

当分野では、種々の消化管疾患の病態を解明し、予防および治療法を提案することを目的に研究を展開しています。なかでも、消化管における炎症に着目しています。炎症は消化管に限らず、全身の様々な疾患において広く認められ、興味深いことに、元来炎症を抑える目的で使用される抗炎症薬が、副作用として炎症を伴う消化管傷害を引き起こします。ゆえに、消化管において炎症という現象の実態を解明することは、消化管疾患に留まらず、全身性の炎症性疾患の理解に繋がる可能性が期待できます。現在、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症腸疾患、薬剤起因性消化管傷害、IBSなどの機能性消化管障害、さらには線維化、がん、味覚異常などについて研究を展開しています。

薬物治療学分野01
薬物治療学分野02
薬物治療学分野03
薬物治療学分野04
薬物治療学分野05
薬物治療学分野06

教員紹介

加藤 伸一 教授

加藤 伸一 教授

出身大学:京都薬科大学
出身大学院:京都薬科大学大学院
学位:博士(薬学)

キーワード

薬理学、薬物治療学、消化器疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患

モットー・好きな言葉

ケ・セラ・セラ

研究分野

難治性消化管疾患の病態解明および治療標的分子の探索

消化管の様々な病気、なかでも原因や治療法の確立が十分ではない難治性消化管疾患を対象に研究を行っています。潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患(IBD)、またこれらに合併する狭窄や癒着の原因となる病的線維化、高頻度に発生する大腸がんなどが問題となっています。また近年、明らかな病変が存在しないにもかかわらず、腹痛、膨満感、下痢・便秘などの様々な消化器症状を呈する過敏性腸症候群(IBS)などに代表される機能性消化管疾患(FGID)も増加しています。当分野では、これら難治性消化管疾患の病態を解明し、新たな治療薬開発の標的となる分子の探索を中心に研究を展開しています。

林 周作 准教授

林 周作 准教授

出身大学:京都薬科大学
出身大学院:京都薬科大学大学院
学位:博士(薬学)

キーワード

消化管系の疾患と薬

モットー・好きな言葉

やらぬ後悔よりやる後悔

研究分野

腸管免疫性疾患の病態解明および有用な治療戦略の創出

私は、未だ原因が明らかにされていない消化管疾患の内、炎症性腸疾患と過敏性腸症候群の病態を解明し、その成果を基にした有用で新たな治療戦略の創出を目指して研究を行っています。炎症性腸疾患に関しては、再燃の予測・予防と長期寛解維持を目的にして、腸管粘膜における上皮細胞と免疫細胞の連関に着目し、炎症で傷ついた腸管粘膜を再生させる有用な治療戦略の開拓および再燃を予測する有用なバイオマーカーを探索する研究を進めています。また過敏性腸症候群に関しては、消化管運動や分泌・吸収を制御する腸管神経系と腸管粘膜免疫系とのクロストークの病態生理学的意義に注目して研究を進めています。

安田 浩之 助教

安田 浩之 助教

出身大学:岐阜薬科大学
出身大学院:岐阜薬科大学大学院
学位:博士(薬学)

キーワード

炎症性疾患、免疫応答、細胞内シグナル伝達、酸化ストレス、エピジェネティクス

モットー・好きな言葉

探求心

研究分野

炎症性腸疾患における免疫細胞の役割と病態解明に関する研究

潰瘍性大腸炎やクローン病など原因不明の炎症性腸疾患では、過剰な免疫応答が複雑に誘導され、その中で、白血球に分類される好中球やマクロファージの役割が注目されています。これら免疫担当細胞は本来、生体機能を維持するために働いていますが、何らかの原因で恒常性の破綻が起き、疾患の発症や増悪につながります。我々は、これら炎症性腸疾患での免疫担当細胞の役割や機能について、動物モデルや培養細胞を用いて、多角的に研究を行っています。将来的には、炎症性腸疾患だけでなく、免疫担当細胞を中心とした炎症性疾患の治療標的分子の探索を目指しています。