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チーム医療を学ぶ実践的プログラム「多職種連携教育(IPE)」を京都橘大学と合同で開催しました

2023年11月9日(木)、本学において、多様化する患者対応のためにチーム医療を推進できる人材育成の一環として、同じ山科区にある京都橘大学と合同で多職種連携教育(IPE:Interprofessional Education)を開催しました。

このIPEは、毎年度後期に京都薬科大学薬学部薬学科5年次生、京都橘大学看護学部看護学科、健康科学部理学療法学科および作業療法学科の4年次生を対象に実施している選択制のプログラムで、今年で8回目となります。
当日は、各学科から12人ずつ計48人の学生が参加し、両大学の教員により設定された1つのシナリオ事例について、それぞれの専門知識を駆使して最適な医療について共に考えました。

学生たちは、はじめに同じ学科の学生同士で編成されたグループでの討議と発表を行った後、8人ずつの学科混成(各学科2人ずつ配置)により編成されたグループに分かれ、討議と発表を行いました。最初の同学科グループでの討議・発表では、「薬」、「人」、「症状」、「環境」など、専門ごとに着眼点が全く異なった発表内容でしたが、学科混成グループの討議・発表では、最初の討議の内容を踏まえながらも、他職種の視点や考え方、患者への対応方法の違いなどを共有し、チームとしてよりよい医療支援方針について、深く検討、議論した様子がうかがえました。

   

最後の講評では、教員から「何をどうするかという方法論ばかりではなく『患者がどうなるべきか』という共通の目標を決めてから話し合うことが重要」、「ひとつの職種ではできないこと、思い至らないことが多職種で連携することによって実現できることがある、ということを今回のプログラムを通して理解してもらえれば…」といったフィードバックが行われ、学生たちはうなずきながら真剣に耳を傾けていました。

   

また、参加した学生からは、「専門ごとに観点が全く違うことに驚いた。自分たちは薬や副作用のことばかり考えていたが、他学科の学生は生活環境や患者さんの気持ちなどから対策を考えていて、目からうろこが落ちたようだった」、「薬を介した関わりだけだとなかなか他職種と連携しづらいように感じたが、たとえば患者さんとの雑談やコミュニケーションの中で、他職種にとって必要な情報を得てチームに共有することで、より良い医療に繋げていくこともできるのかなと思った」などの声が聞かれました。本プログラムを通して、他職種の考え方を学び、個々の専門性を生かしながらチームとして最適な医療・ケアを行っていく重要性について、強く意識する機会となったようです。

本学は、今後も京都橘大学との連携を深めながら、プログラムの充実と継続を図り、より専門性と実践能力の高い人材の育成を目指していきます。