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病院薬剤師をしながらプロボクサーとしてデビュー【卒業生インタビュー】

本学卒業生の次井晃宏さん(2022年3月卒)が、2024年7月6日(土)にボクシングプロデビュー戦に挑みました。卒業後に京都府立医科大学附属病院に就職し、病院薬剤師として病棟業務、調剤室業務、抗がん剤の調製、消化器内科での業務を担当されています。これらの業務とボクシングとの両立や、今後の目標についてお話を伺いました。

―ボクシングを始めたきっかけは?
学生時代はずっとバスケットボールをしていましたが、コロナ禍でなかなか活動ができなくなり、運動をするために4年次生の終わりごろに学校近くのボクシングジムへ通ったことがきっかけで始めました。当時はプロになるつもりはなかったです(笑)

―病院薬剤師のお仕事とどのようにして両立していますか?
平日は終業後、所属するボクシングジムに通い、実戦形式のスパーリングだけでなく筋トレや基礎トレーニングもしています。学生時代は日々の勉強で忙しかったので月に1回フィットネス感覚で取り組んでいましたが、社会人になって仕事以外で何か一つでも自分の中で挑戦できることを見つけたいと思っていたところ、ジムの人からもプロを目指したら?と言われたことがきっかけで本格的にトレーニングを行い、プロライセンスを取得しました。
デビュー戦が決まったときは試合に向けて週5日程度トレーニングしていましたが、病院薬剤師の業務に支障をきたすことのないよう身体を休ませる日を決めながら両立していました。


―苦労したこと、大変なことはありますか?
体力的な面では少し大変で、平日トレーニングをしていると帰宅が夜遅くなることもあるため、効率よく時間を使いながら身体を休ませることを意識しています。始めた頃は減量のための食事管理がうまくできなくて苦労したことも。今は慣れましたが、試合(興行)が近くなり、食べることも飲むこともできないときは大変でした。

―大学生活での経験が役立っていることはありますか?
仕事とボクシングを両立するにあたって、自由な時間が少なく、薬剤師として勉強する時間も確保することが難しいですが、大学時代に要点をおさえて短時間で集中して勉強することができていたので、自己研鑽の面でも役立っています。また、学生時代の研究を通じて英語の論文の読み方・書き方を習得していたことで、実際に読む時の時間短縮にもつながっていると感じています。その他にも部活動で先輩、後輩との関わり方を学んだことが今の職場での良好な人間関係につながっていると感じています。

―デビュー戦の感想、今後の目標を教えてください
デビュー戦はとにかく楽しかったです。試合に出るまでは大変で、結果も引き分けだったので悔しい気持ちはありますが、自分に足りないところも分かりました。今は11月2日の試合に向けてまたトレーニングしています。
デビュー戦の時に職場の方々も応援に来てくれたことがとても嬉しく、仕事の面でも普段から支えていただいているので、感謝の気持ちを忘れずに、恩返ししていきたいと思っています。
病院薬剤師としてはまだ3年目なので幅広い業務に携わりながら、自分の知識や技術を高めていきたいと思っています。また、DMAT(災害派遣医療チーム)にも所属していて、実際に大きな災害の時に出動した先輩の話を聞いたことで、自分の中での意識も変わりました。災害時のためのより専門的な知識も習得していきたいと考えているので、これからもプロボクサーとしての活動と両立しながら取り組んでいきます。


―在学生に向けてメッセージをお願いします
勉強はもちろん大切ですが、それ以外で学ぶことも多くあるので、どんどん挑戦してほしいと思います。
「迷ったらやる、やらずに後悔するよりマシ」
私自身、周りの環境、ボクシングジムや勤務先の方との縁など様々な偶然が重なって今につながっていると感じています。今の学生時代の時間を大切に、目の前にあるチャンスを逃さないようぜひいろんなことに挑戦してみてください。