現在、博士課程4年次生として在学中の
祝迫佑紀さん。学部卒業後、大学院では研究に没頭し、学会やシンポジウムでも受賞されています。今回は所属する細胞生物学分野での研究内容や、大学院生活についてインタビューしました。
―本学に入学した理由と大学院に進学した理由
高校生の頃に教科書の内容が本当に正しいのか疑問に思ったことがありました。学校の先生に聞いたら「それを調べるのが研究だよ」と言われ、研究職に興味を持つようになりました。資格として薬剤師免許を取得できるところにも魅力を感じ、薬学部への進学を決意。出身は愛知県ですが、いろいろと情報収集する中で京都薬科大学を知りました。就職先の幅が広いこと、どこに就職しても卒業生がたくさんいること、何よりも研究活動に力を入れていて、3年次後期から研究に携われることが一番の魅力に感じました。入学当初は、初めての一人暮らしでホームシックにもなりましたが、社会人になって始めるより、学生のうちに自分のことは自分でできるようにしておいた方が良いと思い挑戦しました。
学部卒業後の進路を考える頃、もっと研究がしたいと思う気持ちは変わらず、企業で研究職として就職する道も検討しましたが、やっぱり自分の名前で研究成果を発表したいという気持ちが強かったので、大学院への進学を決めました。
―大学院での学びについて
学部と大学院では学びの種類が違います。論文を読んで新たな知見を得るのがメインの学部に対して、大学院は論文を書いて新たな知見を見出し、発信することがメインです。課題を発見して解決するための方法や論文の書き方を学んでいます。
基本的には一日中ずっと研究活動をしており、隙間時間で学会準備をしたり、文献を読んだりしていて、忙しい時もありますが充実しています。
―現在の研究テーマなど
研究室は細胞生物学分野に所属しています。細胞には様々なタンパク質があり、恒常性があるので、正常な状態を維持するためのメカニズムを理解する必要があります。また、ウイルスは細胞に寄生して増殖するので、細胞生物学分野では、細胞研究とウイルスの研究を合わせて行っています。
現在は、ヘルペスウイルスの一種であるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスの増殖・複製する仕組みを研究しています。このウイルスは、ヒトヘルペスの中でも新しいウイルスのため、まだ明らかになっていない点が多くあります。このウイルスのメカニズムを明らかにすることで阻害する方法を見つけ、抗ウイルス薬の完成に繋げることを目標に研究を行っています。
―これまでの研究で印象に残っていることや苦労した点
研究は常にトライ&エラーを繰り返すものなので、苦労した点で言うと「常に」かもしれません(笑)
ただ、何度も失敗を乗り越えて、ある時急にうまくいくことがあります。その時の達成感は、すごく印象に残っています。また、研究を進める中で自分が失敗した点を後輩に伝えていくことで、後輩たちの研究がどんどん進んでいくこともやりがいにつながっています。
―今後の目標は?
より多くの知見を得て、世界的にアドバンテージのあるオリジナルの研究を展開していきたいです。また、卒業後は大学教員を目指しているので、学生を指導する立場として必要なスキルも身につけたいと考えています。
―本学志願者へメッセージ
京都薬科大学は多くの進路があり、進路支援体制も充実しているのでいろいろな可能性に挑戦できると思います。また志の高い仲間も多く、切磋琢磨して成長できる環境です。研究にも早期から挑戦でき、世界的に見ても充実した研究環境で取り組めます。国家試験の合格率も高いので、安心して学ぶことができる大学だと思います。
また、在学生の方も「人類が知らないことを明らかにし、教科書を変える」研究がしたいという野望がある方は、ぜひ大学院に進学してほしいです。その他にも臨床現場の薬剤師を目指している方にとっても、博士号は重要だと思っていて論文を読んだり書いたりすることで科学的なエビデンスに基づいた医療を提供するための能力を得られると思います。
リサーチアシスタントや、海外留学の支援もあり、金銭的な面でのサポートも充実しているのでぜひ、みなさん大学院進学も検討してみてください。
過去の掲載インタビューについては
こちらをご覧ください。