ドイツのデュースブルク・エッセン大学からの留学生(2024年9月~10月)であるクラウディアさんに本学での研究活動や日本とドイツの違いなど、お話を伺いました。
※インタビュー時は英語でしたが、日本語に翻訳しています
―自己紹介をお願いします。
名前はClaudia Szymanski(クラウディア・シマンスキ―)でポーランドとドイツのハーフです。デュースブルク・エッセン大学の修士課程で「Water Science(水科学)」学科を専攻していて、これは化学、物理学、数学、生物学など様々な分野の中で水が関わる領域の学問です。
2023年11月~2024年1月までは京都大学にも留学していて、日本留学は2回目です。
―留学したきっかけを教えてください。
修士課程在籍中に国外へ2回の研究インターンシップに行くことができ、場所も決めることができます。自分の知らない世界で、新しいワーキンググループで成長したいと思い、留学を決意しました。
―日本の京都薬科大学を選んだ理由を教えてください。
日本へ行くことが何年も前から夢だったので、日本全国の大学を調べていました。京都薬科大学のWebサイトで薬品分析学分野の研究内容を見て、ここで研究したいと思いました。1回目の留学で京都を訪れた際にとても感銘を受けたので、また京都に来ることができてとても嬉しいです。日本のアニメや漫画も大好きです。
―ドイツと日本の違いはありますか?
学習環境や研究設備などは大きな違いはありませんが、夕方まできっちり研究していることにびっくりしました!ドイツでは終わったらすぐに帰ってしまうので(笑)夕方の時間までしっかり研究している真面目な姿が印象的でした。
また、学生たちと英語でコミュニケーションを取ることは少し難しかったです。でも翻訳サイトや写真なども使用しながらたくさんお話しして、いろいろなことを教えてもらいました。
それと、電車が時刻通りに運行していること、電車の中がすごく静かなことにも驚きました。日本では相手のことを配慮し、尊重していると感じました。
―京都薬科大学での研究内容を簡潔に教えてください。
私の研究は、前立腺がんのマーカーである前立腺特異抗原(PSA)を高感度に検出するためのリポソームを用いた電気化学発光イムノアッセイの開発です。
これまでにこの研究室では発光物質を封入したリポソームをラベル化剤として用い、目的物質を高感度に検出する電気化学発光システムを構築してきました。しかし従来の方法では、目的物質をリポソームで補足し、界面活性剤を加えてリポソームを崩壊させ、封入されていた発光物質を放出させなければ電気化学発光を観測できませんでした。
私はこの操作が煩雑であると考え、この問題点を解決するために、発光物質の電気化学発光を導く共反応物をリポソーム中へと効果的に移行させることにより、リポソームの粒子状態のままで電気化学発光を観測できることを見出しました。これによりPSA検出のための新しい電気化学発光イムノアッセイを提案できると考えています。
―日本滞在中に印象に残っていることがあれば教えてください。
たくさんあって、1時間のインタビューでは足りないぐらいです!平日は研究活動をしていますが、週末は日本を満喫しています。神社を訪れて、御朱印を集めることも好きですが、先日はお菓子作りや抹茶体験をしました。寿司やおにぎりももちろん大好きで、朝食はおにぎり(特にツナマヨ)を食べています。ドイツでも日本食は売っていますが、値段がとても高いので、日本で美味しいものをたくさん食べることができて幸せです。
ロケーションも素晴らしい場所が多く、特に天橋立や白髭神社が美しくて感動しました。
―将来の夢、今後の目標を教えてください。
具体的には決まっていませんが、最終的には博士号を取得したいと考えていて、これからも研究を続けていきたいです。また、今回の留学を受け入れてくださった武上教授に恩返しができるよう、もっと研究を深めて、より高度な研究で結果を出したいと思っています。
ドイツに戻ってからはまた忙しくなりますが、時間を見つけてまた日本に行きたいです。その時にはこのようなインタビューに日本語で答えられるように勉強しておきます!
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