衛生化学分野
研究内容
うつ病などの精神神経疾患は「五大疾病」の一つであり、画期的治療法の開発が望まれている。うつ病の発症要因として脳-腸機能的連関の破綻が注目されているが、その詳細は未解明な部分が多い。そこで当分野では、うつ病モデルマウスを用い、脳及び消化管における炎症誘発機構に加え、腸内細菌叢や生理活性脂質の機能的変動などに着目した研究を遂行している。さらに、疾患や薬物療法に起因した味覚障害、栄養素吸収の変化などに関する研究、難病・希少疾患や老化に対するペプチド創薬研究も視野に入れて活動している。これら研究を通じ、疾患のみならず薬物治療に起因する有害事象の発症に対する新たな予防・治療法の提案に繋げたいと考えている。

教員紹介

キーワード
栄養化学、神経科学、アストロサイト、味覚、ATP受容体、亜鉛
モットー・好きな言葉
時間はつくるもの/人生楽しく
研究分野
うつ病の予防・治療法の開発を目指した栄養神経科学的研究
うつ病の発症において、脳神経系細胞の一つであるアストロサイトの寄与が注目されている。これまでに蓄積してきたアストロサイトに関する研究成果を基盤として、うつ病の発症の引き金となる酸化ストレス負荷時におけるその機能性の変化についての研究を展開している。
うつ病患者において味覚異常がしばしば認められる。食べ物の美味しさは食欲を満たすだけでなく快楽に繋がる重要な感覚であるため、うつ病患者の味覚の変化に対応した食事摂取の改善は、患者のQOLだけでなく、疾患からの快復に繋がると期待される。そこで、うつ病における味覚異常のメカニズムに関する研究に取り組んでいる。

キーワード
アミノ酸、ペプチド、ケミカルバイオロジー、内分泌、筋萎縮、創薬
モットー・好きな言葉
Passion
研究分野
ペプチドを用いた生体機能制御に関する研究
~内分泌代謝関連疾患、難病、老化の予防・克服を目指して〜
神経ペプチド「ニューロメジンU」が作用する2つの受容体の機能を独自ペプチドを用いて個別に制御することで、生体内での各々の役割を解明し、肥満や糖尿病などの代謝疾患あるいは難病の予防・治療に繋げる研究を行っている。また、精神疾患との関連性にも興味を持っている。一方で、筋肉の増殖にブレーキをかけている「マイオスタチン」に着目し、阻害ペプチドを用いた筋萎縮性難病に対する創薬的アプローチと、サルコペニアを含めた筋力低下の予防・克服につながる新たな知見の獲得を目指した研究も進めている。

キーワード
脂質生化学、生理活性脂質、脂質代謝
モットー・好きな言葉
Today is the first day of the rest of your life.
研究分野
脂質代謝に着目した疾患発症メカニズムに関する研究
我々の体にとって脂質は、貯蔵エネルギーや細胞膜の構成成分として必須の成分ですが、それ以外にも、一部の脂質は細胞機能の調節という重要な役割を担っています。このような脂質は生理活性脂質と呼ばれ、近年注目されています。
特に最近は、「どのくらい」増えた/減ったという“量的”な観点だけでなく、「どの分子種が、どこ(どの細胞・体液)で、どのような状況で」増えた/減ったという、“質的”な観点からの知見が重要視され始めています。そこで、様々な疾患における生理活性脂質の質的な変動と疾患発症との関連性を調べ、疾患予防・治療への展開を目指した研究を行っています。