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「薬学とアーティスティックスイミング、両方で輝きたい」日本選手権で5個のメダル獲得!2年次生 額田紗子さん【インタビュー】

2023年5月1日~3日に東京アクアティクスセンターで開催された日本選手権水泳競技大会。アーティスティックスイミング(以下、AS)競技に京都薬科大学2年次生の額田ぬかた紗子さやこさん(井村アーティスティックスイミングクラブ所属)が出場し、金メダル2個、銀メダル1個、銅メダル2個で、計5個のメダル獲得という、すばらしい成績をおさめました。 ASの選手として第一線で活躍しながら、薬学の道を選んだ額田さん。これまでの活動や世界の舞台への思い、勉強との両立などについて、お話を伺いました。

習いごと感覚から世界を目指すまで

―ASを始めたきっかけは?  
小学校2年生のとき初めて「シンクロ教室」に行ったのがきっかけです。私は全然覚えていないんですが、母いわく、それがとても楽しそうだったそうで、そこから習いごと感覚で通うようになりました。最初は特に、水中で長く息を止めなければいけないのが苦しくて辞めたいときもありました。でも、だんだん大会で優勝したりチームメイトとともに頑張ったりすることが楽しくなって、現在まで約12年間続けることができています。息を止めるのは今でも苦しいし、全然慣れないんですが(笑)
―これまでに印象に残っていることや苦労したことはありますか?
小学生、中学生の時には全国JOCジュニアオリンピックカップで優勝することができ、高校生の時には2020年、2021年と2年連続世界ジュニア選手権大会日本代表に選出されました。何度も代表合宿は行われたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外の試合に行くことが困難となり、試合は中止に。ずっと世界の舞台で戦うことを目標に頑張ってきたので、目の前にあった最大のチャンスが消えてしまって一時期は立ち直れなくなりました。でも、合宿を通して仲間から多くの刺激を受け、学んだことがたくさんあったのも確かです。決して無駄な時間ではなく、この経験があったからこそ、強いメンタルを手に入れることができたと思っています。 大学生になって、2022年の日本選手権、チャレンジカップはすべて優勝することができ、2023年度の日本代表選考合宿に参加しました。結果は惜しくも選出されませんでしたが、まもなく行われる世界水泳に出場する現日本代表には、同じクラブで幼い頃から一緒に頑張ってきた友達も入っています。次の代表選考会がいつ行われるかは分かりませんが、私も諦めず、今後も頑張っていきたいと思っています。


薬学とAS。自分なりの向き合い方を見つける

―大学の授業や勉強との両立はどうされていますか?  
基本的に午前中で講義が終わる日が多いので、午後から大阪の練習場所に通っています。大会前になるとほぼ毎日泳いでいますね。午後に実習や授業がある日は、授業が終わってから遅れて練習に参加する日もありますが、大会の日程等の都合で、どうしても授業に出席できないときには、先生に事前に連絡、相談するようにしています。
―ASに打ち込みながらも忙しいと言われる薬学部を選んだのはなぜですか?  
高校の時に化学が好きだったことから、卒業後の活躍の場が広い薬学部に興味を持ち、家族の勧めもあって京薬を志望しました。でも、ASを続けながら薬学に進むなら覚悟を持って取り組まないといけないですし、「本当にできるのかな」と悩んだ時期もありました。そんなとき、塾の先生から「二つとも今しかできないことなら貪欲に頑張れ」という言葉をかけていただいて、「今やりたいことを一つに絞らなくてもいいんだ」と思えたんです。二つとも諦めない。そう決めたら勉強の時間配分や効率的な方法を考えて取り組めるようになっていきました。今でも不安なことはありますが、薬学とAS、両方で輝ける人になりたいという目標に向かって日々精進しています。 受験生の方で、たとえばスポーツ等と勉強との両立に悩むことがあっても、自分がやりたいと思うことを諦めず向き合っていけば、きっと自分に合ったやり方が自然と身についてくるのではないかと思います。

世界への思いと、京薬で描くもうひとつの未来

―これからの目標や将来の夢は?  
ASに関しては、やっぱり日本代表となることが私にとって1つの大きな壁であり目標です。簡単なことではないですが、チャンスがあれば自分の力を出し切って挑みたいと思っています。 一方で、大学の勉強も引き続きしっかり取り組んでいきたいです。今はまだ、やりたい研究や将来就きたい仕事は見つかっていませんが、まずは3年次での研究室配属に向けて、これから講義や実習を通して少しずつ自分の興味ややりたいことを考えていきたいと思います。そして、ASで得た経験や諦めない気持ちを京薬での学びにも生かしながら、薬学の道でも将来の夢を見つけていければと思っています。