NEWS

お知らせお知らせ

ドイツ薬局オンライン研修を開催しました

2024年2月13日(火)~15日(木)の3日間、ドイツで薬剤師としてご活躍中のアッセンハイマー慶子先生と本学卒業生でもある大前敬子先生を講師に迎え、オンラインで「ドイツ薬局研修」を開催しました。
この「ドイツ薬局研修」は、医薬分業発祥の国ドイツにおける医療制度や、健康サポート薬局・かかりつけ薬剤師とは実際にどのようなものなのかを学ぶことにより、自分の理想とする薬剤師像を思い描く一つのきっかけにしてもらうことを目的に、2018年度から5年次生を対象に始まり、今回で6回目を迎えました。2018、2019年度は現地での研修を行っていましたが、コロナ禍が始まった2020年度以降はオンラインで実施しています。
今年度は5年次生だけでなく1~4年次生も受講可能とし、3日間で1~5年次生14人が参加。本研修のコーディネーターである薬品分析学分野 武上教授の進行で、各日およそ2時間のプログラムが実施されました。

1日目の講師はアッセンハイマー慶子先生で、テーマは「薬剤師の基本姿勢 薬学はオールラウンド学問」。アッセンハイマー先生が経営されているドイツ・ロッテンブルクのセントラル薬局の様子のほか、ドイツで薬剤師が担う役割や薬局・薬剤師に関する制度について解説いただきました。
 


2日目の講師は本学卒業生の大前敬子先生で、テーマは「ドイツの薬局業務と薬局薬剤師の仕事」。大前先生は日本で薬剤師としての経験を経て、現在はドイツの「一包化センター」で薬剤師として勤務されています。本学在学中の2年次にドイツ・フライブルク大学の短期留学に参加したことをきっかけに、ドイツで働くことを目指されたご経験から、参加学生たちに対し、海外で働くうえでのアドバイスや「チャンスがあればどんどん挑戦していくことで夢の実現につながる」とのメッセージも送られました。
最終日となる3日目は、再びアッセンハイマー先生を講師に迎え、「コロナ禍中ドイツ薬局の取り組み」と題してご講演いただきました。1日目、2日目の内容を踏まえながら、ドイツでオールかかりつけ薬局が普及できている仕組みや、コロナ禍でのドイツの様子や薬局が果たした役割などについて解説されました。
 


それぞれの講演後の質疑応答では、学生たちから実務実習の経験を踏まえた質問や海外で働くための準備に関する質問のほか、日本の医療体制の問題やドイツに学ぶべきことなどについても多種多様なコメントが出され、和気あいあいとしながらも非常に活発な意見交換が行われました。

研修に参加した学生からは「ドイツの国民性や日本との違いに驚きもあったが、薬剤師の役割や重要性を改めて感じる機会となり、私も薬剤師としての職能を最大限発揮できるよう努めたいと思った」や「国からも薬剤師の必要性が今以上に認められるためには、ドイツのように薬局だけで完結できるくらい、薬剤師が中心となって患者さんの治療に貢献できるようにならなくてはいけないのではないかと考えた」といった感想があり、単にドイツの薬剤師事情を知るというだけでなく、自身の将来や薬剤師としてのあり方などについて改めて考える貴重な機会となったようです。

本学では、今後も本研修を継続するとともに、グローバルに活躍できる人材の育成を進めていきたいと考えています。