佐藤 毅:
「生体膜上における生物化学」を研究テーマとしている。生体膜を介した情報伝達、そしてがん等の疾患に関与する膜タンパク質が、生体膜上でどのように動き、機能するのか固体NMR(核磁気共鳴)法を中心とした各種分光学的手法によって解析してきた。専門はタンパク質化学、構造生物化学。研究に関する詳細はGoogle Scholar、またはResearchgateにおけるサイトを参照いただきたい。
今井 千壽:
専門領域は英文学、特にヴィクトリア朝の小説。Charles DickensやElizabeth Gaskell等を主要な研究対象とし、作品の解釈を通して、文学とその背景にある社会的コンテクストとの相互作用について考察を行っている。現在着目しているテーマは「病気」である。「病気」とは、光と影とが交錯するきわめて複雑な時代であったヴィクトリア朝を読み解く上で欠かせないキーワードの一つであるが、当時の小説における身体的あるいは精神的な病気についての多様な表現方法を検討することにより、作家たちの病気の捉え方や、イギリス社会における病気の意味を探りたいと考えている。
小久見 祥恵:
専門領域である法哲学の諸テーマのうち、法が実現するべき平等はどのような状態であり、どのように実現しうるのかというテーマに取り組んでいる。主としてアメリカで展開されてきたフェミニズム法理論を研究対象として、ジェンダー平等にかかわる問題だけでなく、セクシュアリティや身体をめぐる問題について理論的検討を行ってきた。近年では、リベラルな伝統のなかで主張されてきた自律的で独立した主体とは異なる「ヴァルネラブル(脆弱)な主体」をめぐる議論に注目し、「ヴァルネラブルな主体」を前提にした平等論の再構成を試みている。
坂本 尚志:
ミシェル・フーコー研究から出発し、現在は20世紀フランス思想史を主な研究領域としている。特に、20世紀後半のフランスにおける「概念の哲学」の発展と変容に関心を持ち、研究を行っている。また、フランスのバカロレア哲学試験についての研究ならびにそれをもとにした教育方法の開発も課題としている。
岸野 良治:
専門領域は仏教学。インドからチベット語文化圏と漢字文化圏の双方に伝わり、インド語とチベット語訳と漢訳で現存する「根本説一切有部律(こんぽんせついっさいうぶりつ)」という仏教の戒律文献を解読し、インド仏教教団の日常生活や信仰活動の実態の解明、さらにはその戒律のインド・チベット文化圏・漢字文化圏における伝承過程の解明に取組んでいる。
研究業績→https://kyoto-phu.academia.edu/RyojiKishinoམགོརེག
岩﨑 大輔:
専門はドイツ文学、特にヨーハン・ゴットフリート・ヘルダーを研究対象としている。現在はヘルダーの「再生思想」に関心を持ち、彼のフマニテート思想や言語思想との関連を考察している。またドイツ語教授法も研究課題とし、効果的なドイツ語の授業方法の探求に取り組んでいる。
藤原 由美:
認知言語学という言語観に立脚し、英語のさまざまな言語現象を観察しそのメカニズムを解明することを研究対象としている。また、研究の延長として、実際の教育現場においてメタ言語知識を有効な文法知識として活用できるような指導法を検証する研究も行い、理論面からだけでなく実践面からもアプローチをしていきたいと考えている。
朝比奈 裕子:
専門は構造生物学、タンパク質工学。偏光FT-IR、蛍光実験、固体NMRなどの各種分光学的手法を用いて、脂質二重膜中における1回膜貫通型タンパク質の構造機能解析を行っている。さらに膜タンパク質の構造変化モデルをもとにケミカルツールに応用できる人工タンパク質の構築を行っている。詳細はGoogle Scholarにおけるサイトを参照。