理事長挨拶

京都薬科大学は、JR、地下鉄、京阪電鉄が連絡する交通の便が良い京都駅の隣、山科駅近くに立地しています。
1884年(明治17年)に創立された本学は138年の歴史と伝統を持っており、多くの卒業生を輩出しています。2020年(令和2年)厚生労働省の薬剤師調査では、全国の薬剤師は約32万2,000人で、そのうち本学の現役世代の卒業生は約1万8,000人であり、全国の薬剤師の5.6%、18人に1人が本学の卒業生です。これらの卒業生は、全都道府県で病院や薬局のみならず製薬企業、官公庁などの幅広い分野で活躍しています。換言すれば、これまで本学は多くの方々に選ばれてきました。
近年、全国の薬科大学・薬学部への入学志願者は、6年制教育による修業年限に伴う学費の負担増や「将来、薬剤師が過剰になる」との予測、さらには少子化の影響もあり、年々減少傾向です。本学においても、過去10年間、その数をほぼ維持してきたものの、減少傾向であることは否定できません。
今後は、「京都薬科大学だからこそ行きたい」と思ってもらえる魅力を、社会により強く訴求していくことが必須であり、そのためには、「大学の価値を高める」ことが重要と考えています。「大学の価値を高める」ことが、在籍する学生、ひいては卒業生をはじめとする多くのステークホルダーズの価値を高めることにもなります。大学の価値を高めるためには、教育力、研究力、財務力、就職力などが重要ですが、薬科大学・薬学部にはこれらに加え薬剤師国家試験の合格率も大きな要素となります。
「選ばれ続ける大学」を目指すとともに「大学の価値を高める」ため、本学は15年前の2007年度(平成19年度)から5年間ごとの中期計画を策定し、PDCAサイクルで推進してきました。2022年度(令和4年度)からは第4期中期計画を推進します。
この第4期中期計画では、これまでの第1期から第3期中期計画までの成果を基盤としつつ、「先端的な研究に支えられ、建学の精神に根ざしたファーマシスト・サイエンティストの育成を追求する大学」である京薬ブランドを、より発展させていくことに取り組んでいきます。
この第4期中期計画の推進には、役員、教育職員および事務職員が一体となり、教職協働により力強く推進していくよう最大限努力していきます。その暁には、大学の価値が今まで以上に高まっていると信じています。
学校法人 京都薬科大学 理事長 