学部 教育・研究

6年制薬学部での学び

より深く、より広く学び、薬剤師・薬学研究者としての知識・技術・人間性を高める

医療人としての薬剤師は、調剤業務や服薬指導を通して医療に貢献するだけでなく、多職種が協働する医療機関や地域でのチーム医療において重要な役割を担っています。6年制薬学部では、多様な場で活躍する薬剤師として必要な知識や技術を修得するとともに、医療人としての深い人間性を養います。また、6年制薬学部での学びは、大学や研究機関、企業、医療現場、行政等で薬学研究者として活躍できる道にもつながっています。
ここでは、2024年度以降の入学生対象の新カリキュラムの概要を紹介します。

カリキュラムの概要


基礎力を養う

初年次教育

問題発見・解決能力の育成、豊かな人間性やコミュニケーション能力の修得を目標に、基礎演習ではSGD※1やPBL※2を実践する。また早期体験学習では、SGD※1の実践によって学習目的を明確にさせ、病院・薬局見学、企業見学等に臨む。さらに基礎演習、情報処理教育や基礎科学実習を通して、レポート作成やプレゼンテーション能力、科学的思考力などのアカデミックスキルの基礎を修得する。
※1 SGD:Small Group Discussion
※2 PBL:Problem Based Learning(問題解決型学習)

ヒューマニズム教育

ヒューマニズムや医療倫理に関する科目群を継続的に履修することにより、薬剤師や薬学研究者としての社会的役割の理解や生命倫理・医療倫理の基本的態度を確立する。また、患者・生活者のみならず他の医療従事者との連携に必要なコミュニケーション能力を修得する。

教養教育および語学教育

1年次から3年次前期までの一般教養科目群「人と文化」の履修によって、幅広い教養と学問的視野を身につける。また、基本的な英語能力に加え、基礎的な科学英語の履修を出発点にして、薬剤師・薬学研究者として必要な語学能力を修得する。

体系的な情報科学・統計解析科目群

数学や統計解析学、臨床統計学などの情報科学や統計解析に関する科目群を体系的に履修することにより、医療情報やビッグデータ、科学的データを合理的に活用する能力を身につける。これにより、基礎薬学研究、医薬品開発や臨床研究などのさまざまな場面でのエビデンスに基づいた論理的評価法を修得する。

 

専門性を深める

化学の基礎を出発点として創薬を志向する

高校での化学に連携した基礎的な化学の履修を出発点にして、薬学の基本である有機化学、物理化学、分析化学を体系的に修得する。また、実習科目における体験を通して、優れた治療効果を示す物質の化学構造やその特性を理解し、創薬・製薬を志向した専門的・実用的な技能を学ぶ。

生命科学を基盤として医療薬学を学ぶ

生命現象や疾患とその治療法の理解に必須である生化学、細胞生物学、解剖生理学等の生命科学系基礎科目を体系的に修得するとともに、薬理学などの生物系応用科目の理解を深める。さらに、これら科目の修得を基礎として、病態薬物治療学や病態診断学などの医療に関わる専門的・先端的な知識・技能を深く理解する。

自身の興味や将来の進路に応じた科目選択

3年次後期~4年次前期の専門科目発展型選択科目群および6年次前期の実践的・科目横断型選択科目群では、自身の興味や将来の進路に応じた科目を履修する。前者では薬学専門科目で学んだ薬学の基礎知識を深化・発展させ、後者では実務実習履修後に身につけるべき創薬、医療、医薬開発、健康、漢方に関わる専門的な知識・技能を修得する。

実践力を高める

薬物治療の実践的能力を修得する臨床薬学教育

薬剤学、薬物動態学、テーラーメイド薬物治療学などの臨床薬学科目を通して、個々の患者において最適な薬物治療を選択するために必要な実践的知識・技術を修得する。また、地域医療学や症例・処方解析演習、さらには実務実習を通して、社会における薬剤師や医療人としての知識や考え方、実践的能力を修得する。

早期研究室分属とコース教育を特徴とした薬学研究

3年次後期から分野・センター等の研究室に分属し、それまでに修得した知識・技術・態度を基盤として先端的研究を実践する。5年次からは、探求薬学コースあるいは実践薬学コースを選択して薬学研究を継続し、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力を高めるために実践的な研鑽を積む。探求薬学コースでは、基礎薬学研究を含めた医薬品の開発からその適正使用にわたる広範な領域での問題発見・解決能力を醸成する。実践薬学コースでは、薬剤師としてより実践的な内容を演習や体験プログラム等によって学ぶ。