様々な学会で受賞されている本学博士課程4年次生の
原田考輝さん。大学院での生活や研究内容についてインタビューしました。
ー本学に入学した理由と大学院に進学した理由を教えてください
もともと生き物や植物を育てたり、自然現象を観察することが好きで、研究がしたいという気持ちが強くありました。本学は研究室配属が3年次後期からなので、他大学に比べて早くから研究活動ができるということが最も魅力的だと思い入学を決めました。大学院へ進みたいというのは入学前から考えていたので、学部生の早いうちから進学を決めていて、わたしが興味をもっていた基礎研究にもっと関わっていくためにまずは博士号を取得することも大学院進学の目的のひとつでした。
学部生のときから所属しているシナジーラボは国内だけでなく海外の研究者とも関わる機会があり、刺激を受けながら人脈も広げていくことができます。研究漬けの毎日がとても充実しています。
ー大学院での生活について教えてください
1日のスケジュールはだいたい朝8時半頃に研究室に来て論文作成や調べ物をし、学部生が研究室に来てからは彼らと一緒に実験を進めています。大学院というと研究のイメージが強いと思いますが、学部生のサポートも大きな役割だと思っていますし、教えるなかで新たな気づきがあったり、学ぶこともたくさんあります。
夕方、学部生が帰ったあとは細胞培養など時間のかかる作業を行い、自分の研究をさらに進めています。
また、学会やシンポジウムで研究成果を発表する機会も多く、研究に対して意見をいただけるので非常に勉強になります。懇親会などを通じて他大学の大学院生と関わることで自分の研究を進めるモチベーションにもつながっています。
ー現在の研究テーマについて教えてください
ミクログリアという脳の免疫細胞がどのように発生し、脳の機能と関わっているかを研究しています。具体的にはマウスの
胎仔の脳を解析し、脳の形成や発達のメカニズムを解明することで将来的には人間の脳の発達の解明や治療薬などにつながればと考えています。
研究室に配属された学部生のころに発見した細胞の反応をもとに、脳発達の普遍的な生命現象として証明できるのかという研究へ繋げています。地道に取り組んだ研究成果が新たな知見につながることが非常に面白い部分だと思います。
ーこれまでの研究で印象に残っていることや苦労した点はありますか?
どの研究でも同じだと思いますが、実験がうまくいかない時に、どうしたらいいかじっくり考えて、苦労の末に成功したときには達成感があります。少しの工夫や他者からの助言からブレークスルーが得られ、実験がうまくいくことも多く、妥協せずに取り組むことや日頃から多くの研究者とコミュニケーションを取っておくことが大事だと感じています。また、学部生の時に実習で学んだ基本的な手技がとても重要になります。しっかりと基礎を身につけておくことがその後の研究活動につながるということも実感しています。
研究テーマが胎生期に関連するということもあり、日常生活の中ではみることのない生命の発生の様子を観察しており、非常に神秘的で、研究の醍醐味を感じています。
ー今後の目標は?
今年度で博士課程の4年次になるため、現在は論文を作成しています。学部生から考えて約7年間の研究活動の集大成として良いものができるように頑張りたいと思います。
将来的にはアカデミックポストを目指していて、これからも生涯を通じて研究に取り組んでいきたいと考えています。
ー本学志望者(学部・大学院ともに)へメッセージをお願いします!
京薬には歴史もあり、就職先も幅広く、たくさんの頼りになる先輩たちが各所で活躍されています。私自身、研究活動のなかで本学卒業生と関わることも多いので、人脈形成にもつながっていることを実感しています。
国家試験合格率が高いということもポイントですが、国家試験対策以上のことを学べ、生涯にわたる絆が得られる大学なので、ぜひ挑戦してもらえればと思います。
大学院に関しては学部とは異なり、研究プロジェクトのリーダーになることがあります。マネジメント力を身につけることもできますし、探求力や問題解決能力を高めることで、周りを引っ張っていくような志がある方はぜひ進学してもらいたいです。
また、大学院となると金銭面での不安の声を耳にすることも多いですが、本学はRA(リサーチ・アシスタント)の制度が整っていることも魅力だと思います。
自分の研究を深め、それに向かって努力できる方はぜひ大学院も検討してもらえればと思います。
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